日本民具学会第41回大会報告
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1 会期: |
平成28年12月3日(土)・4日(日) |
2 会場: |
國學院大學渋谷キャンパス5号館5301・5302教室(東京都渋谷区)
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3 主催: | 日本民具学会 |
4 運営 |
| 大会委員長 佐野賢治
大会実行委員長 小川直之
実行委員 菊池健作・安室知(理事会選出)、新井裕美(神奈川県)、 加藤隆志(神奈川県)、羽毛田智幸(東京都)、畠山豊(東京都)、 波田尚大(東京都)、藤塚悦司(東京都)、
三代 綾(東京都)、 宮本八惠子(埼玉県)
事務局 小川直之、波田尚大、三代綾
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5 大会日程
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第1日 12月3日(土)
9:30~ 理事会(5301教室)
10:00~ 評議員会(理事選出など)(5301教室)
11:00~ 大会参加者受付開始(5号館3階)
13:00~ 公開講演・シンポジウム
「民具研究と民俗文化財」(5301教室)
基調講演 菊池健策 民具研究と民俗文化財
シンポジウム
①趣旨説明 小川直之
②内田幸彦 民俗文化財と博物館、民具研究─コレクションをどう活かすか―
③篠崎茂雄 博物館と民俗文化財―「野州麻の生産用具」
(国指定重要有形民俗文化財)の調査・収集・活用を通して―
④外立ますみ 民俗文化財整備の中の民具実測
討論司会 小川直之
16:30~ 研究奨励賞授与式 会員総会(5301教室)
17:30~ 懇親会(2号館1階「和(なごみ)」)
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第2日 12月4日(日) |
8:45 | 実行委員・運営実務補助者集合 |
9:00~ | 受付開始(5号館3階ロビー) |
10:00~ | 研究発表 | (5301教室) |
10:00~ | 羽毛田智幸 | 学校内歴史資料室における民具の現状とこれから |
10:30~ | 福西大輔 | 震災地における地域アイデンティティとしての民具 -熊本地震と榎津塗- |
11:00~ | 森川年久 | 両替屋民具コレクション |
11:30~ | 落合里麻 | 江戸時代の乗物―種類と形について― |
12:00~13:00 | 休憩・昼食 |
13:00~ | 三村宜敬 | 「切り火」習俗の現状と火打具の変化 |
13:30~ | 小椋裕樹 | 手引ろくろの構造調査からわかったこと |
14:00~ | 川野和昭 | 南九州の特徴ある民具
-デッキェ(台弓)とカ(弩弓)の比較- |
14:30~ | 桃井宏和 高橋敦 久保光徳 |
民具における用材と構造-近代犂を例に |
15:00~ | 久保光徳 | 箕形態に対する造形力学的考察の試み
-空気を動かすバランスの取れた形-
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15:30~ | 神野善治 | 民具の機能と形態について
-「宮本分類」からの飛躍を試みる- |
6 基調講演・シンポジウム趣旨
日本民具学会の設立は、日本常民文化研究所による民具研究講座に端を発し、この研究集会がもとになって行われたといえる。これとともに民具研究を推進したのは文化庁による重要有形民俗文化財の指定の動向であった。それは、指定のあり方がその稀少的価値から、日本人の生活様式の変化変容を体系的に把握し得る民具群へと推移し、これに伴って一括資料としての収集保存、記録化が重視されるようになった。また、資料化にあたっては実測図の作成など、民具の学術資料としての客観化が大きく進んだ。1970年代後半からの民具研究は活況を呈し、歴史学や民俗学などでは明らかにできなかった庶民生活の実相を明らかにし、その変遷をとらえるいくつもの視点を提示してきた。
つまり、民具研究は文化財保護政策としての「民俗文化財」制度と不可分の関係にあったのであり、学会設立40年を経た現時点において、改めて民具研究と民俗文化財制度とがどのような関係をもって歩んできたのか、密接な関係をもつことでどのような研究の進展があったのか、逆にそのためにどのような視点や課題、方法が育たなかったのかなど、今後の民具研究に向けての諸問題を洗い出してみたい。
(基調講演とシンポジウム発表については、講演・発表をもとにした稿を『民具研究』に投稿予定)
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7 大会参加者
大会参加者 会員103名 会員外10名
懇親会参加者 89名 書籍販売 9団体(社)
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8 大会経費
日本民具学会負担金 30万円
参加者 大会参加費3000円(当日払い4000円)
懇親会費4000円
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